嫁に男ができたようだ。最近の妻はいつも機嫌がいい。鼻歌をうたいながら家事をするなんて、結婚して17年、一度も見たことはなかった。それが今じゃどうだ。晩ご飯の後片付け中、洗濯物を取り込むとき、トイレ掃除のときにも鼻歌だ。まるで明日は楽しみにしていた遠足だと言わんばかりのルンルン少女だよ。
これは他に男ができたのだと思った。私たち夫婦には高校生の娘と中学生の息子がいる。ふたりともいい子に育ててくれたと思う。夫婦のふれあいなどは皆無だが、そのことでケンカをしたこともない。家族はうまくいっているものだと思っていた。
インターネットの相談掲示板などを見ると「妻が浮気しているようです」といった相談は数多くある。平和だった家庭がいきなり崩壊していくのを男は受け入れられないのだ。相談の回答には「人妻は市場価値が高いのです」とあった。人妻は誘惑があまたあるので、外に働きに行かせてはならない。外の世界には人妻をねらう狼たちがウヨウヨいるのだと。もはや浮気されたのは、人妻を外に出した夫のミスだと。
「男」というくくりで、私も立場を置き換えて考えてみた。自分がもし独身だったら?既婚者だったとしても、目の前にキレイで魅力的な人妻が現れたら?私の場合は、人妻という肩書きは関係なく、魅力的な女性には心惹かれるものがあるということは分かった。なおかつ人妻なのだ。狼たちは本気になる必要も、責任をとる必要もない相手なのだ。まさに格好の餌だな。